始祖鳥図
shisocho-zu 2023.4
レジン・純銀箔粉・パール顔料等
size:M50(727×1167)
子どもの頃は図鑑で見る始祖鳥は黄色や青の極彩色で描かれていました。しかし最近の研究により実は黒っぽかったのではということが解明されつつあり、近年は挿絵も変化しています。
誰が一番最初に極彩色のイラストを描き、世界中でそれがスタンダードなイメージになったのか?
誰かが植え付けた先入観、正しさとは一体何なのか?
古代の生き物は今もなおわからないことだらけで、以前そう思われていた姿かたちとは全く違う姿であったことがわかってきたりしています。
今も誰かが作った正しいかわからないものを、多くの人々がこういうものだとなんとなく思い込んで生きている。
始祖鳥は私にとってそんな不思議を象徴する存在です。
2匹の始祖鳥は羽を幾重にも重ねた半立体、背景は平面でそれぞれオリジナル技法による線画彩色を施して制作しております。月にはあえて色を入れない線画が施されており、月のうレーターを模した模様が陰影だけで浮き上がっています。
◆名古屋個展「樹脂画造形の世界」