凹版レジンアートとは

凹版(おうはん)レジンアートIntaglio Resin Art は水咲智明葵考案のオリジナルのアート技法です。

すべての作品に凹版レジンアートの技法を使っています。

版画×レジン「凹版レジンアート」

凹版レジンアートとは、凹版画の仕組みを使い線画・着色をレジン(液体樹脂)に表現する水咲智明葵考案のオリジナル技法です。

羽や鱗など細かいパーツにもすべて凹版レジンアートの技法が施されているのが作品の大きな特徴です。

レジンに幾度も重ねて生み出す独特で幻想的な色で一つ一つのパーツが作られています。

樹脂画造形作品 は、一見レジンでたくさんのパーツを作り重ね合わせているところが際立っていると思われがちですが、実は他に類をみない最大の特徴は、一つ一つのパーツに凹版レジンアートの技法が使われているところにあります。

凹版について

凸版・凹版は主に版画などに使われる用語です。その違いを簡単に言うと、凸版は例えば印鑑の文字のようにインクが乗る部分が高くなっている印刷技術、凹版は逆に削って凹んだ部分に流れ込んだインクで印刷する技術です。

アートの世界で凹版といえば銅版画がよく知られています。銅板にニードルでひっかき傷のような線をつけながら図案を彫り描いて版を作り、凹んだ部分に入り込んだインクを紙に写して印刷するのが銅版画の凹版の仕組みです。

凹版レジンアートはこの仕組みにヒントを得たオリジナル技法です。


着色の特徴 

私の作品の着色は液体のレジンに着色するのではなく、硬化したレジンにパステル画のように顔料を擦り付けて着色しています。

微細な未硬化を生じさせることによって付着する粉の量を変えて色の濃度を表現するという他には見られない方法です。

純銀箔粉との出会い

2020年以降の作品から純銀箔粉を使用し始めました。 

アートで金銀箔を使うことは珍しいことではなく極薄紙状のものやフレーク状のものを貼ったり散りばめたりした作品は多くありますが、粉状の箔を用いるのは珍しいことかもしれません。

箔の歴史

純銀箔は京都の製箔所で手打ちした銀箔を酸化変色しにくいコーティングと着色を施したもので、このような加工を施した銀箔は世界で日本にしかみられないそうです。


奈良·平安時代から芸術に用いられ、その後は美術品や建建築物に使われてきた金銀箔ですが、江戸時代になると金銀箔は幕府の統制下に置かれ箔屋の数は衰退。

さらに第二次世界大戦時、金製品の没収政策によって金箔の製造販売使用は政府の統制下になり、その中で銀箔を金色に着色する技術が生まれたそうです。

今は当たり前に目に手にすることができる金銀箔も、こうした日本の歴史に翻弄されながらも脈々と作り続けられ、伝統と新しい技術を融合して提供されているものなのです。

そんな背景を知り、日本独特の優美さを表現した作品に純銀箔粉を使っています。

参考:山村製箔所 ・ピカエース

作品は作品紹介のページでご覧いただけます 。

作家プロフィール

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