人は皆、求めるものはここではないどこかにあると遠くを探している 

この水の中にこそ、この溝の中にこそ

それがあるような気がしてとどまっている

その美しい翼ですでに大空を羽ばたいているというのに。 

どこか遠くではなく、

身の内にすでにあるありきたりな普通に 

自由という可能性が広がっている

空樂鸞

kurara    2021.2

レジン・純銀箔粉・パール顔料等

size: H300mm

  • 「超絶技巧美の世界」に出展
  • 第46回銀座選抜展「ZEN展」に出展 

以前から挑戦してみたかった立体作品に挑戦した作品です。

鳥の胴体部分からすべてレジンで成型、重量が出ないよう中を空洞にしています。

羽は一枚一枚オリジナル技法「凹版レジンアート」によって線画着色して作りました。

水面を模した土台部分から生えた枝もレジンで作成しています。

額縁の枠板を再利用した特殊な形状の額を土台にし、その細い空間を「狭い世界」になぞらえ、ここではないどこかに求める自由があるような気がして、すでに持つもの・いる場の恵みに目を向けることなく否定することに固執してしまう人間のありようを鸞が人々に伝えている様子を描いています。


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